諏訪盆地に暮らす住人にとって諏訪湖の存在には大きな価値があります。
零下を下回る冬であっても、散歩やジョギング、サイクリングをする人々が湖周を行き交います。
もし、この地に湖がなかったらどうでしょう?
山々に囲まれた盆地に住宅だけが密集する景色を想像すると、かなり閉塞した環境での暮らしになるでしょう。
海辺で暮らした経験がある人なら、どこまでも突き抜ける広大な視界に、心が解放される気分を何度も経験していると思います。
諏訪盆地に湖があることで、規模こそ小さいものの、住人にとって海と同じような解放感を感じているのではないでしょうか。
水を眺めていると不思議と心が落ち着きます。
諏訪湖は「諏訪の海」と表現されたりすることから、海の無い長野県、特に閉塞的な盆地では、そのあたりを表しているのだと思います。
地元住民から観光客まで、人が集う諏訪湖。
諏訪湖はどんな湖なのでしょうか。
・断層のズレによってできた断層湖
・長野県最大の湖で、湖面標高は759m
・昔は今よりも大きかった(現在は一周約16km)
・夏は水泳、冬はスケート。諏訪湖は昔にそんな時代もあったようです。
諏訪湖に関してもっと知りたい方は、suwazineというローカル誌の02号がお薦めです。
特集「諏訪の海は」にて、諏訪湖の成り立ちから現代までの諏訪湖の変貌、湖にまつわるディープな記事で読み応えありです。
諏訪湖の水はどこから集まり、どこへ行く?
岡谷市、下諏訪町、諏訪市に囲まれている諏訪湖。
周辺の山から流れ出る水が諏訪湖に流入します。
流入河川の数は31とのこと。
諏訪市は奥に茅野があるため、八ヶ岳からの水も注がれています。
出口は一か所のみ。
岡谷市の釜口水門から流れ出て、天竜川の起点となります。
天竜川は諏訪湖から伊那谷を下り、最後は静岡の浜松・磐田で太平洋に出ます。
こうしてみると、僕らはその最上流域で暮らしているんだと再認識します。
諏訪湖に流れる山の水
山に降った雨が斜面を流れ下り、保水して湧水で流れ出します。
その年に降った雪の量も影響するようです。
今年は例年に比べて雪の多い年となりました。
山と湖の両方に恵まれた土地。遊びのフィールドとしても申し分なしです。
山では冷涼な水が水生昆虫や渓魚を育みます。
豊富な植物が自生し、動物が暮らす山からは良質な水が流れて諏訪湖へ。
諏訪湖の活用
諏訪湖では昔から様々なことに活用されています。
大分昔のことですが、まだ水がきれいだったころには、諏訪湖で泳いでいたそうです。
残念ながら高度成長とともに工業排水や生活排水が流れ込み、汚い湖へと変わってしまった時期があります。その後、下水の整備などを経て少しずつ水質が改善し、諏訪湖を利用したトライアスロンが開催されるまでになっています。
・今年開催予定の「スワコ エイトピークス トライアスロン」
・開催70回以上の諏訪湖花火「諏訪湖祭湖上花火」
人々は諏訪湖の周りを歩いたり、走ったり、湖上に漕ぎ出したりしながら、また山を眺めます。
すべては健全な山から始まるのだと、考えさせられます。