最近になって地元メディアでよく目にするようになったスワイチ。
スワイチとは一周約16kmの諏訪湖を自転車でめぐるサイクリング。
ほぼ平坦なので、ファミリーでのサイクリングや観光ついでにレンタサイクルでも
気軽に一周をすることが可能だ。
最近になって、友人が自転車を買ったらしい。
ある時、SNSをチェックするとバイクパッキングでキャンプをしている投稿を目にした。
別件で彼と会うことになっていたので、どうせなら自転車積んでおいでよ。一緒にスワイチしよう。
そうして、彼は関東から自転車を積んでやってきた。
別件というのは、LAKEHOODのスタッフジャケットに名入れするために、シルク版を頼んであって
それを持ってきてくれることだった。
久しぶりだね~!といっても、SNSで繋がっていると、そこまでのひさびさ感はないのだが。
最初に帰りの時間を確認して、今日のプランを提案した。
中央道上りの渋滞は14時ころから始まる。
現在時刻は10時。渋滞エリアを抜けるなら12時発が理想だが、ぜひ体験してもらいたいプランなので、
1時間オーバーして13時発にしてもらおう。
桟橋『LAKEHOOD OKAYA / レイクフッドオカヤ』の建設予定地で記念写真を撮り出発。
ちなみに写真に写っているロンTは友人のオリジナル「PSYCHEDELIC RIDER」。
早朝に出ていた湖面の靄が晴れて、対岸まで綺麗に見通せる諏訪湖と八ヶ岳を見ながら走り出す。
諏訪湖は近い将来、自転車道が全周で開通する予定だが、岡谷の釜口水門付近から走り出した僕らは、まだ着工もしていない車道の路肩を走る。
しばらくするとガラスの里が見えてくる。
そこから自転車道を走ることになる。
対面通行の自転車道に並走するかたちでジョギングロードが伸びている。
諏訪湖を楽しむ自転車乗りとランナーの安全地帯。
車の存在を気にせず走れることは、これほどストレスが無いのかと実感する。
会話を楽しみながらしばらく走ると、昼飯ポイントが近づいてきた。
時刻は11時ころ。
目星をつけていた蕎麦屋が開店する時間帯でちょうどいい。
着いてみるとすでに満席。待ち客の一組目となり、ほどなくして席につけた。
蕎麦湯を飲干し、ライドの続きへ。
上諏訪側からは北アルプス、下諏訪側では富士山を見ながら岡谷へ向かう。
間欠泉や下諏訪で足湯のプランもあったんだけど、今回は時間の都合でパス。
スタート地点に戻ったのが12時半。
さて、ここから第2部のはじまり。
船着きのゲート開けて、自転車を船に積み込む。
自転車での諏訪湖一周もそうだけれど、湖周辺を最大限に満喫する条件は、八ヶ岳や他の山の眺望にかかっている。
陸から眺める諏訪湖と八ヶ岳の眺めはいつ見ても素晴らしく、時間帯や日によって異なる表情を見せてくれる。
ひとたび船で沖へ漕ぎ出せば、いつもとは違う水面からの視線。
ぐるり360°のパノラマビューは、陸では気づかなかった新たな発見や感動が待っている。
ゆっくりと離岸し、船首の向きを変える。
港内に水の円を残して、そろそろと船着きを出る。
一気に視界が開け、だだっ広い諏訪湖の沖へ。
八ヶ岳に向かってスピードを上げる。
エンジンが唸りをあげ、船尾に荷重が乗り、船底をたたく水の音のリズムがバンッバンッと早くなる。
鳥が羽ばたきながら飛び立つのを横目に、自転車と僕らを乗せた船は静かな水面を裂いて飛ぶように滑走していく。
八ヶ岳が近づき、諏訪湖中心でエンジンを停めると、停船した波に揺られながら、静寂に包まれた。
湖の中央にポツリと漂い周囲を見回すと、山に囲まれた盆地であることを再認識する。
夜になってこの位置で星空を見上げると、プラネタリウムのようなドーム状となった星空がひろがっているのだ。
少し沖へ出るだけで、陸では味わえない非日常がそこにある。
自転車を船に積み、どこかで降ろすでもなく、ただ帰ってくるという、一聞すると実用性のなさそうな行為。
でも、実際にやってみて、そんな考えはどうでもよかった。
愛車とともに沖へ出て、湖の真ん中からさっきまで走っていたルートを一周見渡しながら、ペダルを踏んだ区間を追想する。
船に乗るだけでも、旅感3割増しじゃない?
友人も喜んでたみたいだし、やって良かったな。
3時間でここまで楽しめるなんて、正直思わなかった。
ほど良く自転車漕いで、蕎麦食べて、景色眺めて。
そして今回初の試みとなった、自転車を積んで沖に出ること。
諏訪湖をフル活用して遊ぶのに、湖上で浮かぶことはやっぱりマストだなと。
他にもっと色んな可能性がありそう。
ゆくゆくは、これをツアーに出来たらいいなぁ。
【クルーズのショートムービーはこちらから。】