雪に閉ざされた冬が終わり、本格的な春に向けて三寒四温の真っただ中。
2/16の渓流解禁を過ぎてから、はや2か月が経とうとしています。
渓に足が向かなかったのは、雪に恵まれてスキーに忙しかったため。
白馬方面はまだまだ豊富な積雪だけれど、そろそろ魚の顔を見たくなってきました。
バックパックに釣り道具を詰め込んでMTBにまたがります。
入渓ポイントを目指してヒルクライムのはじまり。
すぐにペダルを踏む足にだるさを感じ、息が上がり始めます。
スキーで体を動かしてはいたものの、上りで負荷をかけ続ける運動は去年の秋以来。
辛さを噛みしめながら入渓ポイントまで。
もう、喉からから。
この日の天気予報は曇りのち雨時折雪で最高気温は8℃。
シーズン初日の昂る気持ちを抑えながらウェーダーに履き替えます。
さて一発目に何を結ぶか?
ここに来るまでは沈める気満々でしたが、ひとまずはドライで様子を見たい!
やっぱり、そうですよね?!
ってことで#14のパラシュートを結びます。
渓に下り立ち、森の空気を胸いっぱいに吸い込みます。
いよいよ今シーズンが始まりました。うれしい!
流れを読みます。
この時期の魚がついている場所は?
過去の実績を脳裏に呼び戻します。
ひさびさの渓流でのキャスト。
狙ったポイントを外すこと数回。
パシャリと水面が小さく弾けました。
掛かりこそしなかったものの、ドライへの反応があったのは嬉しい発見です。
まだ水量も少ないため、わかりやすい大場所の弛みにフライを漂わせると、、、
バシャりと出ました!
小さいサイズでも楽しめるようにと選んだ#1ロッドが弧を描き、しなり具合を確認しながらラインを確実に手繰ります。
寄せてくると、まだサビの残るなかなかのサイズ。
今シーズンの初物に出会えました。
そして、一尾に会えた後の心の余裕。この感じも久しぶり!
枝沢の交わる深場にて、水を含んだフライが沈みながら流れていくと、白泡下からサッと出てきてフライをさらったのは綺麗なイワナでした。
あぁ、これコレ!
上がると思っていた気温は小雨の降りだしとともに下がり始め、次第にみぞれから雪へ。
撥水機能を失ったレインウェアが水分を含み、インナーをゆっくりと濡らしていきます。
釣れていなければとっくに引き返しているところですが、魚の活性は悪くない!
みぞれ混じりの雪が水面に小さな波紋を作ります。
出来ては流れで消されていくのを眺めていると、パシャっと小さなライズがおこりました。
落ち込みからストレートに続くかけあがりに定位して、流下してくる餌を待っているようです。
出来れば一発で決めたい。
慎重に1投目。ドラグがかかることなく水面をゆっくりと下ってきます。
いまかいまかと、ドキドキ。ラインを手繰る手が力みます。
一呼吸おいて2投目。
小さく目立つオレンジのポストがゆらゆらと下ってきます。
出ないわけない。
スラックがもう少しでほどける手前でバシャり!
釣れ方は色々あれど、流れを読んでイメージして、その通りに流れてそこで出る。
そんな釣りが出来れば最高です。
一番良い終わり方で〆ました。
最後はもう一つのお楽しみのダウンヒルです。
頑張って上がった分だけ貰えるご褒美。
しかし、この日は既にずぶ濡れ。
みぞれと泥しぶきが顔を強くたたき、下りた頃には感覚がなくなってました。
雨に濡れても心地いい季節が待ち遠しいです。