住んでいる地域周辺を自転車移動で楽しむこと。
普段のサイクルライフに釣りをプラスしたバイクフィッシング。
どちらもメインとなる遊びですが、これらを一度に両方楽しめたら最高です。
渓流釣りが禁漁を迎えてから約ひと月。
解禁まで4か月弱あります。
それまで長いと感じるか短いと感じるかは人それぞれですが、
私は釣りの禁断症状が出始めました。
諏訪湖といえばワカサギ釣りで有名ですが、フライを投げたい。
というわけで山上の人造湖、蓼の海まで自転車であがり釣りをすることにしました。
蓼の海は、諏訪市にある標高1,250mの灌漑用ため池です。
かつては天然のスケートリンクとしても利用されていました。
現在は管理釣り場になっていて、ニジマスが放流されています。
私はここで釣りを覚えました。
この釣り場の良いところは景観のすばらしさ。
正直、なかなか釣れない管理釣り場なのですが、池のほとりに立つだけでも気分が良いんです。
観光客やカメラを提げた写真家、ツーリング中のバイク乗りも訪れます。
映画「いま、会いにゆきます」のロケ地としても有名です。
さて、ここで気になるのは自転車で行くとどうなるか?
ルートは岡谷市役所周辺からスタート→国道20号から下諏訪の諏訪大社秋宮→向陽高校抜けてひたすら上る。
ログを録ったら、釣り場までは約10kmほどと距離的には大しことありません。獲得標高は540m。
問題は勾配です。
ちなみにバイクはアドベンチャーバイク、とメーカーが謳っています。
ドロップバーに前後キャリアが標準装備ですので、旅仕様のバイクです。
ギア比はF(48/32T)、R(11-36t)。
国道20号から秋宮へ続く大社通りの坂は、ほど良い負荷で漕ぎきれます。
鳥居前で一枚。
秋宮駐車場を抜けて、向陽高校へ続く坂に入ります。
ここからが坂の本番です。
車で何度も通っているので、キツイことは容易に想像できます。
車でさえエンジンが唸る。
勾配の数値が分かりませんが、徐々にきつくなります。
すでにギアは使い切り、あとはペダルを踏みまくるだけ。
もう少しで向陽高校というところで押しが入りました。
ここで、ふと思います。
生徒は元まで漕ぎきれるのだろうか?
急坂になる手前の道端に生徒専用の駐輪場があるのですが、
学校敷地内にも駐輪場はあるようで。
これを3年間通ったら、なかなかのクライマーになるのでは?!
高校を過ぎても上りは続きます。
民家はなくなり、畑が点在する里山エリアを、押しては漕ぎの繰り返し。
道沿いには承知川の細い流れが下ります。
小休止するたびに汗をぬぐいます。
この時期のウエア選択は迷いますね。
上りは大汗、下りは極寒。でも、なるべく荷物は減らしたい。
汗対策は、年中着ているファイントラックのドライレイヤーです。これはマストです。
この上に速乾性のロングスリーブ、その上に若干の保温効果のあるサイクリングジャケットを着ています。
帰りは夕方で一気に気温が下がり、ひたすらダウンヒルなので、防風として透湿性のジャケットもバッグに入れてあります。
さらにダウンベストも小さく丸めて。
釣り場の日陰は底冷えします。
話は戻って、上り坂。
ひょっとしてこのまま、乗れずに行くのか?と情けない気持ちになったところで分岐にあたります。
左は御射山社、右はいずみ湖。
右へ進みます。
やっと乗れる区間に入りました。
道がカーブを描き出し、大きくまわりながらスルスルと高度を上げていきます。
林間を通る気持ちのいい区間をしばらく走ると、いずみ湖に出ます。
ここはマレットゴルフ場や多目的グラウンド、キャンプ場、その脇に小さな池のいずみ湖があります。
目指すはその一段上。
最後の坂を上がると、次第に見えてくる蓼の海の景色。
ついに到着です。
休憩を入れて1時間20分。
お気に入りの場所を写真に収めたら、タックルをセットし防寒対策。
ポイントまで自転車移動。
いよいよ実釣開始。
沖ではライズが散見できますが射程圏外。
ひとまず浮かせてみます、、、反応なし。
マーカー点けて沈めてみます、、、反応なし。
引っ張ってもみます、、、これも無反応。
右へ左へ、少しずつ移動しながら、手前でもライズが起こり始めます。
折れかかった心にほんのりと火が灯りますが、体はすでに芯まで冷え切っています。
ドライを色々と結び変え、手持ちの数少ないサイズバリエーションも試しました。
完敗です。
魚はいる。活性もある。でも、釣れない。
さすが蓼の海。
いや、私の腕とアイディアが足りないのです。
簡単には釣らせてくれません。
だからこそ、面白いのだ!と言い聞かせて、釣り場を後にします。
凍ったギシギシの体でひたすらダウンヒル。
夕暮れの坂道を下っていくと、街の奥には夕日に輝く諏訪湖が広がっています。
いくつものコーナーを抜けて、身体は体温を取り戻していますが、
ああ、釣れなかったなと心でぽつりと思います。
釣り場までのヒルクライムの達成感。
素晴らしい景観での釣り。
たとえ釣れなくても、帰りのダウンヒルまで楽しめちゃう。
どうですか、この遊び。
ローカルからビジターまで、ぜひ一度トライしてみてください。